9. モビリティと状態遷移 (Mobility and State Transitions)

この章では、NRにおけるUEの移動性(モビリティ)制御と、それに伴うRRC状態の遷移について、主要な手順とそのトリガー条件を中心に解説します。

9.1 概要 (Overview)

NRでは、ハンドオーバー、RRC Release時のリダイレクション、絶対優先度やオフセットパラメータを用いた負荷分散(Load Balancing)がサポートされます。

コネクテッドモードモビリティのためのUE測定は、主に以下のタイプに分類されます。

各測定タイプに対し、測定対象(周波数など)を定義するMeasurement Objectと、報告契機を定義するReporting Configurationが設定されます。これらはMeasurement Identityによって関連付けられます。報告契機にはイベントトリガー型、周期的、イベントトリガー+周期的があります。NG-RANは測定コマンドでUEに測定の開始/変更/停止を指示します。

9.2 Intra-NR (NR内モビリティ)

9.2.1 RRC_IDLEにおけるモビリティ (Mobility in RRC_IDLE)

RRC_IDLE状態のUEは、ネットワークとの接続がなく、自律的に最適なセルを探して待機(キャンプオン)します。

9.2.2 RRC_INACTIVEにおけるモビリティ (Mobility in RRC_INACTIVE)

9.2.3 RRC_CONNECTEDにおけるモビリティ (Mobility in RRC_CONNECTED)

9.3 Inter-RAT (RAT間モビリティ)

NRと他のRAT (主にE-UTRA) 間のモビリティについて説明します。

Inter-RATハンドオーバーでは、データ転送や測定手順はIntra-NRハンドオーバーと同様の原則に従いますが、RAT間の差異を考慮した手順となります。

9.4 ローミングとアクセス制限 (Roaming and Access Restrictions)

AMFから提供されるローミング情報やアクセス制限(禁止RAT、禁止エリア、CAG制限など)に基づき、NG-RANは後続のモビリティアクションを制御します。この情報はXnハンドオーバー時にNG-RANノード間で伝搬されます。